直販投信のひとつ、「ひふみ投信」の資金流出が止まりません。
どれくらいの期間流出が続いて、具体的にどれくらいの金額が出ていったのかを見ていきます。
また、同時に「ひふみ投信」の姉妹ファンドである「ひふみプラス」と「ひふみ年金」の資金流出入も考察します。
ひふみ投信の資金流出が12カ月も続く
さっそくですが、ここ1年間の「ひふみ投信」の資金流出入を見ていきましょう。
以下のグラフを見てください。
うーん。なんとも、1年間ずっと流出しっぱなしなわけです。
今年の3、4、5月は、それでも流出額は縮小していたのですが、6月以降は過去最大規模の流出超過が続いています。
1年間でなんと約239億円もの流出超過となります。
姉妹ファンドの「ひふみプラス」はメリハリがある
一方、姉妹ファンドの「ひふみプラス」は、ずっとマイナスだったわけではありません。
「ひふみ投信」よりメリハリがあり、出るときは出て行く、入ってくるときは入ってくるという状況です。
これは、販売会社経由であることも影響しているのでしょう。
ただし、すさまじい金額が流出しているのは事実です。
とにかく両ファンドともに、流出が止まりません。
「ひふみ年金」はさすがの安定
「ひふみ投信」「ひふみプラス」には、姉妹ファンドがもう一つあります。
確定拠出年金のために提供されている「ひふみ年金」です。
こちらは、びっくりするぐらい安定的な資金流入が続いています。
やはり、年金は積立投資のように毎月拠出金が入ってきますので、安定的な流入に繋がっているのでしょう。
純資産総額は減っていない「ひふみ投信」
ここで、「ひふみ投信」の話に戻ります。
前述の通り、239億円もの資金流出となった「ひふみ投信」ですが、純資産総額は1年間でほとんど変わっていないのです。
2019年8月末 1,247億円
2020年8月末 1,265億円
おかしいですね、資金流出が続いているのに、純資産総額が増えています。
これは、基準価額がこの1年間で上昇したからです。
2019年8月末 43,651円
2020年8月末 53,338円
コロナの影響で乱高下しましたが、結局、基準価額は1万円近く上昇しました。
これに伴い、運用資産も膨らんでいるため、純資産総額が減らずに増えたわけです。
純資産総額だけでは分からない資金流出入
純資産総額が減っていなければ、一見すると運用資産が安定しており、投資家から支持がえられていると思うでしょう。
ただし、ここ1年の「ひふみ投信」のように、純資産総額は増えているけど、実際には多額の資金流出超過となっているケースもあるのです。
資金の純流出はあまり、運用会社は積極的に開示しないのですが、モーニングスターなどで調べることができます。
投資信託が投資家から支持されているかどうかは、必ず資金の流出入を見るようにしましょう。