レオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみワールド+」が月間で初の資金流出超過となりました。
人気の「ひふみプラス」「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスが世界株式に投資するファンドとして注目を集めてきました。
しかし、ここにきて資金流入が減速するどころか、流出超過となってしまいました。
ひふみワールド+は24億円の純流出
2020年7月の「ひふみワールド+」は約24億円の資金流出超過となりました。
ひふみワールド+は昨年12月に設定されたばかりのファンドであり、最初に2カ月ほどは、大きな資金流入が続いていました。
しかし、8カ月ほどで、資金流出超過となってしまいました。
もともと、4月以降は、資金純流入の金額が10億円前後まで減り、流入に陰りが見えてきていたのですが、7月は一気に24億円の純流出となりました。
ひふみワールド+が流出超過となった原因は?
ひふみワールド+が流出超過となった原因を勝手に考えてみました。
コロナで含み益を抱えた投資家の利益確定
設定来、ひふみワールド+の基準価額は概ね10000円を下回って推移してきました。
新型コロナウイルスの影響もあって、一時、7000円台まで下落しました。
そんな中、7月の基準価額はずっと10000円を超えて推移してきました。
ここにきて、利益確定の売りが集中したのだと思われます。
7月中旬は基準価額が10500円前後で推移したので、毎営業日2,3億円の流出超過となっていたようです。
コロナで大きく含み益を抱えた投資家は、ここで売り抜けてしまいたかったのかもしれません。
営業が利益確定を促す?
これは想像で仮定の話ですが、回転売買のために営業が売却を促していることも考えられるでしょう。
ひふみワールド+は販売手数料をとって販売されているケースが少なくありません。
また、オンラインではなく対面販売の金融機関も多いです。
となると、営業マンは販売手数料を稼ぎたいわけですから、投資信託を長期保有してもらうより、何度も買い換えてもらいたくなります。
結果として、回転売買を顧客に促しやすい環境となってしまいます。
また、大きく含み益を抱えた投資家からは不満を言われるので、少しでも含み益が出ている時期に売却させて、すすめた投資信託で成功したという結果を出させる意味もあるでしょう。
SBI傘下となることへの失望
可能性は低いと思いますが、レオス・キャピタルワークスがSBIの子会社となることで、ファンドを手放したこともあり得ると思います。
子会社となることで独立系運用会社のメリットが失われることを気にしてファンドを手放した投資家もいるかもしれません。
子会社となることは3月末から決まってきたことですが、6月末には新しい役員体制が発表されました。
新しい取締役がSBIから送り込まれているようで、資本だけでなく、人事もある程度SBIの意向で今後行なわれていくことでしょう。
長期運用をすすめて欲しい
今回の結果はもしかしたら一時的なものに過ぎないかもしれません。
でも、長期の資産形成を推進するレオス・キャピタルワークスのファンドが短期で売り抜かれてしまったのは衝撃です。
ひふみワールド+は直販ではなく、販売会社経由で販売されるものです。
販売会社を通して、もっと長期運用を推進できるような体制が必要なのかもしれません。