レオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみワールド+」が回転売買に利用されていないか心配していろいろ調べて見ました。
同社が運用する「ひふみプラス」の資金流出額と「ひふみワールド+」の資金流入額が妙にぴったりなので疑ってしまいます。
ひふみワールド+が回転売買に利用されているかも
「ひふみワールド+」が回転売買に利用されているのかもと思ったのは、「ひふみプラス」と「ひふみワールド+」の資金流出入額を比較していたときです。
以下のグラフを見てください。
「ひふみプラス」は資金流出が続いている一方、「ひふみワールド+」は資金流入が続いています。
特に、2020年1、2月は流出額と流入額がとても近くなっています。
「ひふみプラス」の資金が「ひふみワールド+」に流れたのではないかと思ったわけです。
もしや、回転売買に利用されているのではないかと。。。
回転売買とは?その目的は?
そもそも回転売買とは何でしょうか?
回転売買とは
投資信託でいう「回転売買」とは、投資家が保有しているファンドを売却させて、新たなファンド購入を投資家にすすめることです。
ここで考える2ファンドについていうと、「ひふみプラス」の売却をすすめて、その売却で得た資金で「ひふみワールド+」を購入するようにすすめるということです。
回転売買の目的
金融機関の営業が投資家に回転売買をすすめる理由(目的)は、販売手数料を稼ぐためです。
ファンドの乗り換えをすすめて、販売手数料を得ようとする営業姿勢は、金融庁からも問題視されています。
回転売買を疑ってしまう理由
おじさんがひふみ系列ファンドで回転売買を疑ってしまった理由は3つあります。
ひふみプラスの資金流出とひふみワールド+の資金流入が近い
まずは、この3カ月間「ひふみプラス」は資金流出が続いていますが、「ひふみワールド+」は資金流入が続いていることです。
冒頭のグラフとともに説明した通りです。
流出の金額と流入金額が妙に近いのです。
数字的に金額が右から左に流れていっているように見えてしまいます。
同じ金融機関で「ひふみプラス」も販売している
「ひふみワールド+」を販売する金融機関では以前より「ひふみプラス」も販売しています。
「ひふみプラス」はとても有名で人気のファンドとなり、運用成績も出してきました。
そんな「ひふみプラス」の販売をしてきた金融機関は、同じくレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみワールド+」も販売したいと思うのは当然のことでしょう。
ですから、「ひふみプラス」から「ひふみワールド+」に乗り換えるよう営業しやすい環境にあるといえます。
「販売手数料」がゼロではない
回転売買の目的は販売手数料稼ぎですから、販売手数料がゼロ(ノーロード)で販売されるファンドでは問題になることはありません。
でも、ひふみワールド+は、現在29の金融機関で販売されていますが、およそ3分の2の金融機関で販売手数料がかかる形で販売されています。(2020年3月24日現在)
販売会社 | 販売手数料の上限(税抜) |
---|---|
auカブコム証券 | 0.00% |
SBI証券 | 2.20% |
あかつき証券 | 3.00% |
エイチ・エス証券 | 3.00% |
ジャパンネット銀行 | 0.00% |
ソニー銀行 | 0.00% |
とうほう証券 | 3.00% |
ひろぎん証券 | 3.00% |
フィデリティ証券 | 0.00% |
マネックス証券 | 0.00% |
ライブスター証券 | 0.00% |
岡三オンライン証券 | 0.00% |
楽天証券 | 2.00% |
関西みらい銀行 | 3.00% |
岩手銀行 | 2.00% |
熊本銀行 | 3.00% |
四国銀行 | 2.00% |
七十七証券 | 3.00% |
十八銀行 | 3.00% |
松井証券 | 0.00% |
親和銀行 | 3.00% |
千葉興業銀行 | 2.00% |
荘内銀行 | 2.50% |
但馬銀行 | 3.00% |
中銀証券 | 3.00% |
長野証券 | 0.00% |
栃木銀行 | 2.00% |
百五証券 | 3.00% |
福岡銀行 | 3.00% |
このように、最大3%の販売手数料がかかる金融機関が少なくありません。
実際のところは分からないが
ひふみプラスの資金流出は最近始まったことではなく、半年前から始まっていました。
また、「ひふみワールド+」は資金に設定されたファンドなのでしばらくは資金流入が続くことは普通のことです。
ですから、流出と流入の金額が近いからと言って、実際に回転売買をすすめるような営業が行なわれたのかは分かりません。
もしかしたら、偶然かもしれません。
しかしながら、やはり販売手数料がゼロではない販売方式だと、営業員が販売手数料を稼ぐために回転売買をすすめてしまうことが起きやすい環境にあるのは事実でしょう。
直販の「ひふみ投信」「ひふみワールド」は販売手数料ゼロで販売しているわけですから、販売会社経由の販売も是非ともゼロで統一して欲しいですね。
以上、投信おじさんが勝手に回転売買を心配している件でした。